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目次

    中途採用とは

    近年、増加傾向にある中途採用。どのような特徴があるのか、いざ質問されるとわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、中途採用の特徴について、新卒採用との違いなどを含めて解説しました。企業の人事担当者、中途採用と新卒採用の違いを知りたい方などは、参考にしてみてください。

    中途採用とは


    「中途採用」とは、これまでに就業経験がある人材を、採用することを意味しています。採用時期は不定期であり、即戦力となる人材が求められることが特徴です。基本的に、社会人としての基礎的なマナーや、募集していた業務に対する専門知識を有していると判断された人材が採用されます。

    似た言葉として、キャリア採用がありますが、実質的には中途採用と変わりません。ただしキャリア採用は、募集していた職種や職務内容に関して、専門的な知識や技能をしっかりと有している人材を採用するという特徴があります。また、同じく即戦力採用がありますが、こちらも中途採用ほぼ変わらないと考えて良いでしょう。即戦力採用の場合は、即戦力としての人材を求めていることをはっきりと打ち出しているので、実力のある人材が求められていることが特徴です。

    中途採用は、企業側にとって新しい人材を確保できるとともに、自社になかった知識やノウハウなどを導入できるというメリットがあります。また、入社時期に関しては柔軟に調整できるため、人材が必要になるタイミングに合わせてスケジュールを組めます。デメリットとしては、独自のやり方に固執する人の場合、自社とのミスマッチが大きくなってしまうことです。加えて、転職に対して抵抗がなく、自社が合わないと感じたら、馴染む前にすぐに転職されてしまうリスクがあります。

    終身雇用制度が崩壊した昨今において、中途採用はもはや珍しいことではありません。中途採用の割合を増やし、新卒採用よりも中途採用を重視する企業も増えてきました。また、人生100年時代が到来したことも受けて、50代以上の中途採用も増えている傾向があります。ただし、一般的に40代以上の転職は厳しい現状があることは事実です。年功序列制度も崩れていますので、人材は己のスキルに磨きをかけ、また企業側は、優秀な人材から選ばれる努力を継続していく必要があります。

    新卒採用との違い


    中途採用と新卒採用の違いを6つの観点から比較します。

    ①採用対象の違い

    中途採用と新卒採用の大きな違いは、採用対象の違いです。中途採用は第1章で解説したとおり、すでに社会人経験がある人材を採用します。対して新卒採用は、就業経験のない、卒業したばかりの学生を採用します。募集期間は、中途採用は不定期ですが、新卒採用は定期的で年に1〜2回程度です。

    新卒採用は、海外では例を見ない、日本独自の手法です。新卒一括採用とも呼ばれています。新卒採用の始まりは、1895年。旧財閥系企業が学生の採用を始めたことがきっかけです。だんだんと卒業を待たず学生のうちから選抜試験で優秀な人材を確保しようとする動きが生まれたことから、1928年に、常磐会が文部省と「大卒学生の採用選考時期に関しては卒業後とする」という協定を結び、選考開始が卒業後となります。その後、何度か時代に合わせて指針が変化し、現在の形になりました。

    ②採用手法の違い

    中途採用は、転職サイトや人材紹介、ダイレクトリクルーティング、ソーシャルリクルーティングなどが主な採用手法です。リファラル採用やヘッドハンティングなどの手法もあります。新卒採用は、大学就職課を活用したり、合同説明会、インターンシップなどがあることが特徴です。

    ③選考フローの違い

    中途採用はスキル採用、対して新卒採用はポテンシャル採用です。中途採用の場合、書類選考のあとは個人面接が中心で、人事や募集している部署の社員、経営陣などが2回程度の面接を行い、短期間で合否が決まります。早いところであれば1日、役職でなければ長くても1ヶ月程度で結果がわかる場合が多いです。書類選考の段階では、履歴書と合わせて、経歴や実績がわかる職務経歴書が必要となります。

    新卒採用の場合、長期間で選考を行います。グループ面接やグループディスカッション、合わせて個人面接などが行われることが特徴です。なお書類選考では、履歴書の他に、エントリーシートを書くことになります。職務経歴書は求められません。

    なお、中途採用では少数を採用するケースが多いですが、新卒採用は少数以外に多数の社員を一気に雇う場合もあります。

    ①給与決定方法の違い

    中途採用者の給与決定方法は主に3つあります。

    • 1:自社の相場から判断する
    • 2:前職の給与から決める
    • 3:成果などから判断する

    1:自社の相場から判断する
    日本企業において、一般的な方法です。同じ業種の、同年代の社員の給与が参考にされます。中途採用者の場合、スキルや実績に応じて判断することもできると思われますが、自社に入ったばかりの頃は、実力を見極めることが難しい為、客観的な指標をもとに判断します。そうすることで、自社も中途採用者自身も、納得する金額を算出しやすいです。

    2:前職の給与から決める
    給与は働く上で大事な要素です。中途採用者の場合、どうしても中途採用者自身が前職との比較をします。その為、前職の給与を把握し、転職しても給与が下がらないことを保証することは少なくありません。

    3:成果などから判断する
    実力に比例して給与を決める方法ですが、プレゼンが上手い人の場合、実力以上の評価をしてしまうことがあるので、企業側は注意が必要です。成果や業績が給与に反映されることはモチベーションの向上に繋がりますので、冷静かつ適切に見極めて給与を決定することが重要なポイントとなります。

    新卒採用者の給与は、所属する会社の就業規則によって決まる場合がほとんどです。

    ②研修方法の違い

    中途採用の場合、基本的にビジネスマナーなどの研修は不要です。すでに他社での経験がある為、社会人としての基本は身についていると判断されます。企業側が中途採用者をとるメリットとして、研修費などがかからないことも挙げられます。新卒採用の場合は、ビジネスマナーの研修などが必要です。

    ③企業文化に染まりやすいかどうか

    中途採用の場合は、社会人経験があることも関係して、企業文化に染まりにくいと考えられています。自分が確立しており、スキルアップやキャリアアップなど、自身の考えで入社を決めている傾向があるからです。転職を経験しているので、場合によっては別の会社にうつることも抵抗は少ないと言えます。

    対して新入社員は企業文化に染まりやすいです。企業側も教育がしやすいので、ゆくゆくは企業の中核を担う存在になることを目指して、育成している傾向があります。

    まとめ


    現代日本において、中途採用の割合を増やす企業は増加傾向になります。就業経験があり、即戦力として活躍できる可能性がある人材を求めている企業は多いです。昨今は売り手市場なので、優秀な人材は引く手あまたとなっています。ただし、中途採用者は転職に対する抵抗が少なく、すぐに転職してしまう可能性がある点は注意したほうが良いです。企業側が中途採用を受け入れる場合は、中途採用者用の選考フローを用意し、自社と馴染みやすいように配慮しておくことをおすすめします。

    中途採用と新卒採用には大きな違いがあります。新卒採用者はポテンシャルを秘めており、自社に馴染む可能性が高いです。反面、研修を実施するなど、長い目で育成する必要があります。双方ともメリット・デメリットがありますので、自社に必要なのはどうような人材かを見極めて、どちらをとるのか決めることが肝心です。なお、採用手法が多様化しているので、自社に必要な人材はどのような方法で集めればいいのかを検討することも人事の大切な役割の一つとなっています。

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