採用成功ガイドRECRUIT GUIDE


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    中途採用を始めると、様々な用語に出会います。中には間違えやすい用語もありますよね。用語の違いを正しく知らないと、人事の業務が円滑に進められないリスクがあります。そこで今回は、間違えやすい用語の違いを徹底的に解説しました。特に間違いやすい用語を10項目厳選して説明しています。用語をしっかり理解することで、中途採用をより効率よく進めることが可能です。中途採用に関わっている人事の方は参考にしてみてください。

    【中途採用用語解説①】内定と内々定の違い

    似たような用語ですが、「内定」と「内々定」では、大きく意味が異なります。

    内定とは、労働契約が成立した状態のことです。労働者と企業との間で、入社後の雇用契約に関して合意が得られた状態にあたります。内定が成立した段階で、労働者と企業の間には労働契約が結ばれており、よっぽどの理由がなければ、企業による内定取り消しなどは行われません。労働者は企業から「採用通知」を受け取り、企業は労働者に「入社承諾書」を提出します。

    内々定とは、言わば雇用に関する約束です。一見、似たようなものに思うかもしれませんが、内々定は労働契約が成立していません。多くは、書面を交わすことなく口約束です。就活においては、主に学生に対して企業が内定を出すことを約束する際に使用されます。

    なぜ、内々定があるかというと、経団連が定めている「採用選考に関する指針」が影響しています。採用選考に関する指針の中に、「正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする」という項目があるので、企業側は10月以降に内定を出すことを学生に約束する際に内々定を出すのです。

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    【中途採用用語解説②】求人倍率と有効求人倍率

    求人倍率とは、仕事を求めている求職者1人に対して、何件の求人があるかを表しているものです。意外と知らない人もいますが、求人倍率にも種類があります。具体的には、有効求人倍率、新規求人倍率が代表的です。

    有効求人倍率とは、ハローワークに申し込まれた有効求人数を有効求職者数で割った値を表します。値が1倍を超えていれば、仕事を求めている人に対して、求職者を探している企業が多いので仕事が見つけやすいという見方が可能です。なお、この場合の有効とは、求人と求職のどちらにおいても、ハローワークが受付を行った翌々月まで有効であることを意味しています。景気を知るための指標の一つです。

    【中途採用用語解説③】欠員募集と増員募集

    欠員募集とは、その企業でもともと働いていた人が何らかの理由で退職したために、その穴を埋める目的で求人募集を出すことを指します。

    増員募集とは、事業拡大などの理由で、人員を増やすために求人募集を出すことです。

    分母となる従業員数を考えると違いがわかりやすいです。企業にとって緊急性が高いのは欠員募集と言えます。本来必要な従業員数に足りていない状態なので、なるべく早くその穴を埋めようと動く場合が多いです。

    【中途採用用語解説④】カジュアル面談とオファー面談

    カジュアル面談は、選考を行う前に、求職者と企業側の社員が情報交換をする機会のことです。昨今の売り手市場を背景に、求職者側の入社意欲を高めるためのアプローチ方法としても活用されています。通常、選考の過程においては、一般的に企業側が求職者を評価する図式が成り立っていますが、カジュアル面談の場合は、求職者から企業側が評価される場でもあるのです。選考ではないので、より気楽に情報を交換し合うことができます。

    オファー面談は、内定後に企業が行う面談です。内定者に向けて、労働条件などの最終確認が行われます。ただし、選考の一環ではありません。すでに内定が決まった人に対して、入社前の不安や疑問を取り除く目的で行われます。オファー面談は必ず行われるわけではありません。行われない場合もあります。

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    【中途採用用語解説⑤】オンライン面接とオフライン面接

    オンライン面接とは、インターネットなどネットワークにつながった状態で行う面接のことです。地方在住者や海外在住者など、遠隔地でも面接を行うことができます。技術の進歩に伴い、2010年ごろから導入する企業が増加傾向です。採用コストを軽減し、幅広い場所で優秀な人材を発掘することができるメリットがあります。

    オフライン面接とは、一般的な面接のことです。ネットワークに繋がっていない状態で行われ、直接顔を合わせて面接をします。オンライン面接と対比的な表現として出てきた言葉と考えられますが、通常あまり使われることはありません。

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    【中途採用用語解説⑥】リファラル採用と縁故採用

    従業員のコネクションを活用する点は共通していますが、両者には違いがあります。

    リファラル採用は、実力重視です。従業員が自身の知人や友人などから自社で活躍しそうな人材を紹介します。こちらは企業が正式な採用方法です。企業とのミスマッチを防ぎ、従業員の定着率を高める採用方法として近年注目されています。

    一方縁故採用は、実力が問われるとは限りません。実力に関係なく、従業員の身内を採用することを指します。コネ採用などとも呼ばれており、リファラル採用とは明確に区別されているので注意しましょう。

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    【中途採用用語解説⑦】ポテンシャル採用とキャリア採用

    ポテンシャル採用とは、現在持っているスキルではなく、これから発揮されるであろう潜在的能力を含めて評価する採用のことです。一般的に若手の採用に活用されます。未経験を前提としているので、教育制度が充実している企業が取り入れやすいです。

    キャリア採用とは、企業が求めている一定の知識や経験を有する人材を得るための採用活動のことを指します。即戦力を求めて採用されるケースが多いです。終身雇用制度が崩壊した現代において、1つの企業に一生勤めることは常識ではなくなりました。転職活動は珍しいことではなくなり、キャリア採用を取り入れている企業は多いです。

    【中途採用用語解説⑧】内定通知書と労働条件通知書

    内定通知書とは、企業が、労働者に対して内定が決定したことを通知する書面です。法的に発行義務があるわけではなく、口頭やメールなどで内定連絡を済ませる企業もあります。

    労働条件通知書は、その名の通り企業が労働者に対して、労働条件を明示するための書類です。企業側は労働者に対して、雇用契約を結ぶ際に書面で通知する義務があると定められています。法的に必要な書類です。雇用契約を結ぶ際には、労働条件通知書の内容をしっかりとチェックしておくことが肝心です。

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    【中途採用用語解説⑨】人材紹介と人材派遣

    人材紹介業を営む会社と、人材派遣業を営む会社と区別して考えるとわかりやすいです。

    人材紹介会社とは、厚生労働大臣より許可を受け、職業を紹介する会社のことを指します。人材紹介会社は、企業に候補者を紹介しますが、雇用が決まった場合、雇用契約を結ぶのは求職者(候補者)と企業となります。

    人材派遣会社とは、スキルのある人材を雇用し、その人材を求めている企業に人材を派遣する会社のことです。この場合、従業員は人材派遣会社と雇用契約を結んでいますが、働く場所は派遣された企業となります。

    似たような言葉ですが、契約を結んでいるのはどこかを理解しておくとわかりやすいです。

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    【中途採用用語解説⑩】管理部門と管理職

    管理部門とは、企業の直接的な利益活動ではなく、事務活動を担当する部署のことです。経理、財務、人事、総務、法務などが管理部門となります。

    一方、管理職とは自分が担当している部門において、一般労働者を指揮、統制、管理する職位のことです。労働者でありながら経営者側の役職であり、担当している部門においての、業務遂行責任と成果責任があります。

    管理部門に属する人数は多いですが、管理職は社内でも限られた人しか担っていません。管理職には一般労働者にはない責任がありますので、混合しないように注意しましょう。

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    まとめ


    間違いやすい用語に関して解説を行いました。こちらで紹介した10項目に登場する用語を理解しておくと業務を遂行しやすいです。一つずつ確実に理解しておくことをオススメします。言葉を理解する時に、内容が示している状況をイメージすると忘れにくいです。例えば内定と内々定なら、いつの時期の話なのかを整理しておくと、間違えにくくなります。こちらで紹介した言葉は、よく使われることが多いので、しっかり理解を深めておきましょう。また、紹介した以外の言葉でも、気になる言葉があった際は、調べてみることを推奨します。