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    内定辞退率60%超!中途採用の内定辞退を防ぐ3つの方法

    せっかく内定を出しても辞退されてしまうケースがあります。今回は、候補者が内定を辞退する主な理由や内定辞退を防ぐ3つの方法について解説します。内定辞退の対策をすることは、自社に合う人材を採用するための工夫にもつながります。候補者が内定を辞退する主な理由を理解して、効果的な対策を実施しましょう。

    内定辞退率がどれくらい?

    内定辞退率とは、特定の期間に内定を辞退した人の数で、「内定辞退者数÷内定取得者の総数」で算出されます。中途採用の場合は、内定辞退率の平均を出すことは難しいので、新卒採用の場合にどのくらい内定辞退率があるのか見てみましょう。

    リクルートキャリアの就職みらい研究所によると、2020年卒の8月1日時点の就職内定辞退率は62.7%。2019年卒の8月1日時点における61.6%と比べて、1.1%上昇しました。また、内定を出した人のうち、半数以上が内定を辞退していることがわかります。人事担当者は内定辞退があることを考慮した上で採用活動を展開する必要があると言えるでしょう。

    キャリタスリサーチのデータによれば、複数企業から内定を得た学生の場合、流通や商社に内定が決まって辞退した人は他業種への就職を決める傾向があり、製造やIT・情報などで内定を辞退した人は、同じ業種で別の企業に就職しているケースが目立ちます。一口に内定辞退と言っても、業種によって、その後の動向には差があると言えるのです。近年、学生からの内定辞退に悩む企業が増えています。

    2019年に発覚したリクナビを運営するリクルートキャリアが、「リクナビDMPフォロー」サービスにおいて、ユーザーである学生に十分な説明をすることなく企業側に内定辞退率を予測し販売していた問題が、記憶に新しい方も多いでしょう。この問題の背景として、内定辞退に悩む企業が多いことを指摘する人もいます。複数の企業から内定を得た学生が内定を辞退するケースは今や珍しいことではないのです。

    候補者が内定辞退する理由


    候補者が内定を辞退する理由としては、様々なことが考えられます。主にあげられるのは次の4つです。

    他社との比較

    他の企業でも内定を得ている場合、他社と比較して内定を辞退するケースがあります。他社と比較して志望度が高くない時は、内定辞退を選ぶ人もいるのです。他に第一志望の企業があり、そちらから内定が出た場合は辞退される可能性が高いと言えます。他社との比較でどの企業を選ぶかは内定者次第ですので、無理に引き止めることはできません。ただし、自社の魅力をしっかりと伝えて「この企業に入りたい」という気持ちを高める工夫はすることはできます。就職活動の時は志望度が低くても、その後の対応で心変わりするケースもありますので、人事担当者は自社の魅力を伝える努力をすることが肝心です。

    給与などの条件面

    条件面で折り合いがつかず、内定辞退となるケースもあります。中途採用の場合は、他社を経験している人が多いですから、条件面で比較が生じるのは自然なことです。条件面で折り合いをつけないまま入社したとしても、早期退職につながりリスクがあります。条件面で齟齬が発生しないように、採用ページで条件を提示したり、選考時にすり合わせを行うなど、しっかりと情報を伝え納得してくれる人を選ぶことが大切です。

    面接官の印象

    面接官の印象が悪く内定辞退になるケースもあります。選考段階は、企業側が候補者を見る場であると同時に、候補者からも見られている場です。面接官の態度が原因で内定辞退になってしまうことを防ぐためにも、面接官の教育をしっかり行う必要があります。近年はWeb面接も増えてきています。対面の面接で経験がある面接官でもWebに慣れておらず、悪い印象を与えてしまうケースがありますので注意しましょう。対面でもWebの面接でも、それぞれしっかりと選考ができ、かつ候補者に不快な思いをさせないように配慮することが求められています。

    社風があわない

    選考の段階や社員の人の話を聞いて社風が合わないと感じたことが内定辞退の理由になるケースもあります。この場合、具体的な理由があるというより、候補者の直感によるものです。意外と社風が合わないことを理由に内定辞退をする人はいます。もし社風が合わないと感じて辞退する人が多い場合は、選考段階から、スキル面だけではなく自社の社風に合う人材かに注目して選考するというのも一つの手です。社風が合わないと感じる人が入社しても、結果的に早期退職につながるケースがあります。自社に合う人材を探すことも大切なポイントです。

    内定辞退の理由は1つだけとは限りません。複数の理由が重なって辞退する人や、こちらに挙げた以外の理由で内定辞退する人もいます。もし可能であれば、内定を辞退した人にアンケートをとって、原因がなんなのか探ってみると良いでしょう。明確な改善点が浮き彫りになった時は、改善のチャンスです。双方が納得できていれば、内定辞退だけではなく早期退職を防ぎ、自社の力の向上につなげることができます。

    内定辞退を防ぐ3つの方法


    内定辞退を防ぐ方法として代表的なものを紹介します。

    候補者にできるだけ会社のことを伝える

    候補者にできるだけ会社の情報を伝えることで、安心感を持ってもらうと内定辞退を防ぐことができるようになります。条件面はもちろん、社員との交流の場を作って入社前からコミュニケーションが図れるようにしておくなどは有効な手段です。伝える情報を工夫することで、自社のイメージアップにもつながります。候補者も自社の情報は調べているでしょうが、細かい疑問は候補者が調べただけでは解決しづらいです。企業側がフォローを行い、疑問点や不安点が解消するように努めれば、候補者から企業への信頼感が増します。候補者が求めている情報を提示するためにも、話を聞くことができる機会を設けると良いでしょう。候補者に子どもがいるなら、同じく子どもがいる社員と対話の機会を持つ、女性なら出産時のフォローの事例を紹介するなど、なるべく候補者に合わせた方法を採用することが効果的です。

    候補者の対応は迅速に行う

    候補者の対応を迅速に行うことも内定辞退を防ぐ上で有効な手法です。例えば、内定の連絡をなるべく早く伝える、入社に関する情報をまとめた上で早めに連絡をし、細かくフォローするなど、丁寧に早く対応することで、求職者を大切に扱ってくれる企業であるという姿勢をアピールできます。中途採用の場合、他の企業にも応募している可能性が高いです。迅速に対応することで、候補者が他の企業に決める前に入社を決めてくれる要因につながる場合もあります。

    入社後の働くイメージを理解してもらう

    内定が出たとしても、働くイメージが持てないと候補者は不安に思います。メールやSNSなどを使って社内の様子を伝えるなど、働くイメージを理解してもらうための取り組みを行うこともオススメです。近年ではオンラインを活用して内定から入社まで継続的にコミュニケーションをはかる取り組みを実施している企業もあります。転職は珍しいことではないので、内定辞退にならないためにも、細やかなフォローをすることが大事です。自分が活き活きと働く姿をイメージできれば、入社を決めてくれる可能性が高くなります。中途入社から活躍している社員の事例を紹介することも有効です。

    まとめ

    新型コロナウイルスのパンデミックなどの影響は転職市場にも及んでいます。Web面接が一般化しはじめるなど、最新の状況に合わせた対策を行うことも大切です。自社に合う人材を採用するためにも、内定辞退を防ぐ対策を行い、都度改善しながら採用活動に取り組む必要があります。中途採用者の場合、新卒と違って中途で入社することに不安を覚える人もいますから、同じく中途入社で活躍している人材と引き合わせる機会などを設けると良いでしょう。「この企業に入社したい」と思ってもらえるように、工夫を重ねていくことが必要です。自社の内定辞退率がどのくらいなのかを把握し、内定辞退の理由などをアンケートで集め、改善していくことも大事と言えます。

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