採用成功ガイドRECRUIT GUIDE


目次


    中途採用は、企業の現状に応じて柔軟に人材を確保できることから、企業戦略において重要な採用方法の一つです。 ただ、多くの場合、欠員の補充・新たに立ち上げた部署の管理職候補など、中途採用で欲する人材は「経験者」であることが圧倒的多数です。

    経験者を雇うには、どうしても能力に応じた待遇を用意する必要があり、採用もかんたんには進みません。 そのような中、応募者の本質的な能力を見極める「ポテンシャル採用」の枠を設け、未経験者含め多くの応募者の中から優秀な人材を選ぶ企業も見られます。 この記事では、中途採用におけるポテンシャル採用のメリット・優秀な人材を見極めるポイントについてご紹介します。

    未経験が集まりやすいポテンシャル採用


    ポテンシャル採用とは、応募者の潜在能力に期待した上で、長期的に見て自社に貢献してくれるであろう人材を採用する方法です。 いわゆる即戦力を集めるための採用方法ではなく、応募者が「どれだけ早く自社のカラーに染まれるか」という観点から採用を検討する方法です。

    短期的な能力の補充に限って言えば、確かに経験者が有利に働きます。 しかし、能力ではなく将来性・協調性といった人間力を応募者に求めるなら、未経験者であっても可能性は大いにあります。

    業種・企業によっては、過去の実績が足かせになってしまうことも珍しくありませんし、将来的に経営の根幹を担うようなポジションを任せたい場合、必ずしも経験者ばかりが優遇されるとは限らないでしょう。 採用後に十分な働きが期待できないリスクもありますが、新人の教育体制が十分に整っている環境であれば、ポテンシャル採用は検討に値する採用方法と言えるでしょう。

    中途採用におけるポテンシャル採用のメリット

    中途採用におけるポテンシャル採用のメリットは、社会人経験のある人材を採用できる点にあります。 ポテンシャル採用自体は、主に20~30代の若手を対象とした採用方法になりますが、基本的に前職以前の経験でビジネスマナーを身に着けているため、教育にかける時間・予算を多少減らせます。

    社会人として仕事に携わる中、フィールドは違えど他社の商慣習・ノウハウなどを蓄積しているため、自社の企業活動に新しい風を吹き込むことにもつながります。 特に、人間関係の構築能力や仕事の進め方などは、職種・業種が違っても応用できることは数多く存在しているため、一度社内ルールを覚えれば一気に開花してしまうケースは珍しくありません。

    少子高齢化に悩む日本では、社員の年齢構成のゆがみが問題になっています。 一時的な経済の停滞に伴い採用を控えていた企業は、特にその傾向が強まっています。 そのような中、教育のコストを多少なりとも減らし、少しでも優秀な若手を採用したいと考えるのであれば、ポテンシャル採用は理にかなった選択肢と言えます。

    また、ポテンシャル採用枠を設けることで、新卒採用時にもれた人材の補充が期待できます。 具体的には、海外留学生・博士号取得者など、一般的な新卒枠とは違う雰囲気を持つ若手人材を確保するのに役立ちます。 中小企業の視点で考えると、大企業だけに応募していたものの残念ながら不採用となった人材に対し、「ぜひうちに来て欲しい」とアプローチをかけることもできます。

    中途採用におけるポテンシャル採用のデメリット

    中途採用で経験者が優遇されるのは、企業が求めるスキルを持つ人材を確保したいという思惑以外に、いくつかの理由があります。 それらの理由は、そのままポテンシャル採用のデメリットにもつながるため、採用活動を行うにあたって無視できないものです。

    代表的なデメリットの一つに、獲得した人材が「自社できちんと働いてくれるかどうか」があげられます。 前職を離れた理由が具体的であり、その原因を自社の側で解消できるのであれば不安は少ないですが、ミスマッチを理由に前職を離れた求職者の場合、同じような理由で会社を離れるおそれがあります。

    せっかく時間をかけて教育をほどこしたとしても、いつか自社を離れてしまうリスクがあるなら、当座の問題を解決するため経験者を採用した方がメリットも大きいでしょう。 また、会社の側も実績の評価がしやすいため、経験者優遇に偏ってしまうのは致し方ないのかもしれません。

    他によくあげられるデメリットとして、仕事の進め方・他の社員とのコミュニケーションに支障が出るリスクがあります。 ポテンシャル採用は、あえてその採用枠を狙った理由が明確な人材ばかりが集まるとは限らず、前職で何らかのトラブルに遭遇した結果、早期に会社を離れてしまった人材も一定数混じっている可能性があります。

    前職できちんとした働きができなかった理由が、求職者自身にある場合、他の会社で働いたとしても結果は同じです。 一方で、環境が変わることにより本領を発揮するケースもありますから、採用する側も選考基準を明確にしてミスマッチを防ぐ努力が必要です。

    ポテンシャル採用で人材を見極めるポイント

    他者の将来性を図るためには、採用担当者の経験則だけでは不十分です。 ポテンシャル採用で優秀な人材を見極めるためには、以下のようなポイントに着目することが大切です。

    社風にマッチする(できる)人材かどうか

    【能力の高い人材=どんな社風にもマッチできる】という公式は、残念ながら成り立ちません。 前職において、協調性を重視するポジションで働くことに慣れている人が、いきなり実力主義の環境に馴染むのは無理があるでしょう。 採用活動を始める前に、自社の経営理念・行動規範にもとづいて企業文化をできるだけ細密に言語化し、ポテンシャルを十分に発揮してくれそうな人材を採用することが理想です。

    人物特性はどうか

    ポテンシャル採用においては、四角四面に採用基準をなぞる以上に大事な要素として「人物特性」の把握があります。 具体的な観点としては、素直さ・真摯さ・バランス感覚・ストレス耐性・論理的思考能力などがあげられます。 これらの特性は、どのような会社であっても必要とされる能力ですから、適性検査・早期離職者の傾向を踏まえた質問を行うなどして、採用前に十分な人物特性の見極めが必要です。

    キャリアビジョンを持っているか

    採用に値する人物であることがある程度把握できたら、求職者が将来「自社でどうなりたいのか」について、キャリアビジョンをチェックしましょう。 自社で働くことが、求職者側のメリットにつながらない場合、いくら魅力的な人材であっても有効活用が難しいかもしれません。 自社の都合だけで求職者の能力を見るのではなく、自社が求職者側の希望にも配慮できる環境かどうかを判断した上で、最終評価を下しましょう。

    第二新卒のポテンシャル採用

    ポテンシャル採用を検討するにあたり、本音を言えば多くの会社が若手を欲しがります。 一定の年齢・職歴の人材になると、今までの経験が邪魔をして、どうしてもミスマッチが起こりやすくなるからです。 その意味では、人事・採用担当者にとって、第二新卒の採用は非常に魅力的に映ります。

    一般的に、第二新卒者とは「入社3年未満で転職した若年者」を指し、年齢が25歳以下などと指定されているケースもあります。 新卒との違いは、ビジネスマナーをすでに習得している・一社の社風に馴染み過ぎていないなど、社会人経験がありながらも新しい環境に適応できる素養を残している点です。 育てる側としては、教育の一部を短縮して、業務に必要な教育のみに集中することができます。 ただ、実際に第二新卒者を雇い入れる場合は、新卒研修とは別に「第二新卒者研修」のようなプログラムを用意することが必要です。 経験者なら即戦力として扱うことも可能ですが、まったくの未経験者で社風についても詳しく知らない人材を雇うなら、時間を無駄にしないよう効率的なカリキュラムの構築が課題となります。

    その点がクリアできれば、初期の教育コストをある程度省き、専門知識の習得を優先することができますから、場合によっては新卒者よりも成長してくれる可能性があります。 前職で培った問題解決能力・コミュニケーション能力が優秀であれば、たちまち期待のエースになってくれることも夢ではないでしょう。

    まとめ


    ポテンシャル採用を成功させるためには、優秀な人材を見極めるためのポイントを押さえることが大切です。 しかし、ポテンシャル採用のノウハウがない中で採用活動を行うのは、時間と労力を要します。 比較的期待値の高い第二新卒者の採用に関しても、一般的な中途採用者と同列に考えてしまうと、せっかくの貴重な逸材をみすみす逃してしまうかもしれません。

    ダイレクトリクルーティングの実績が豊富なMSJobsでは、求職者側のニーズを踏まえた採用手法を数多くご用意しています。 優秀な若手人材・未来の幹部候補の採用につき、自社の採用対象に合致する人材の選定方法・スカウトメールの作成方法など、結果につながるアプローチをご提案できます。 ポテンシャル採用につき不安を抱えている採用担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

    【この記事を読んだ方におすすめ】
    >ストレス耐性が高い人の特徴。面接で見極める質問例
    >WEB面接で人を見極めるには!?心理的なバイアスがなくなるメリットも
    >採用成功に導くコミュニケーション能力の見極め方