採用成功ガイドRECRUIT GUIDE


目次

    WEB面接で人を見極めるには!?心理的なバイアスがなくなるメリットも

    急速に導入が進んでいるWEB面接。WEB面接だけで採用する事例も出てきており、コロナ以降WEB面接が主流になる可能性は十分あります。 ただし、WEB面接は表情が読み解きにくいなど、対面の面接より候補者の見極めが難しいです。 そこで今回は、WEB面接の注意点や候補者を見極めるポイントを紹介します。

    WEB面接だけで採用する事例も出てきている


    新型コロナウイルスの影響で、WEB面接を導入する企業が一気に増加しました。国内の大手企業を対象にNHKが行なったアンケートによると、WEB面接を実施すると答えた企業は全体の9割、その中でも、WEB面接のみで内定を出すと回答した企業が4割存在しました。今やWEB面接だけで採用する事例は珍しくありません。

    面接といえば対面が主流でしたが、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、状況は変わりつつあります。2020年時点では、WEB面接に慣れている企業や求職者は少ないですが、今後WEB面接だけで採用する企業が増えれば、そのノウハウを持っているかどうかが重要なポイントになります。もともと技術の進歩やスマートフォンの普及に伴い、WEB面接は求職者との親和性が高いと注目されてきました。WEB面接ならではの利点もありますし、たとえ新型コロナウイルスのパンデミックが収まったとしても、WEB面接がなくなるとは考えづらいです。今後のためにも、慣れておくことが大切です。

    WEB面接はネットワーク環境さえあれば導入可能です。新型コロナウイルス対策を講じつつ、全国どこからでも面接を実施できます。選考スピードが速くなるので、応募辞退のリスクを軽減しやすいです。フリーソフトもありますが、セキュリティ面の不安があるなら有料の専用ツールを選択するという方法もあります。

    WEB面接の環境づくりの注意点

    WEB面接において、企業側が環境づくりに配慮することがとても大切です。以下の点はしっかり決めておき、求職者側に情報を伝達しましょう。

    ①使用ツール

    どのツールを使ってWEB面接を実施するかは重要なポイントです。フリーソフトと有料専用ツールがありますが、セキュリティなどの面から有料ツールを使いましょう。当然、求職者側にもどのツールを使うのか事前に伝達し、面接画面への入室方法などを説明しておくことが肝心です。また、万が一通信が途切れた場合の対象方法などもしっかりと決めておき、求職者に伝えておきましょう。通信トラブルが発生した場合の緊急連絡先を伝えておくと、お互いに慌てず対処できます。

    ②通信環境の確認

    使用ツールの推奨環境を伝え、通信環境がしっかり整えられているか事前に確認を行います。通信が切れてしまう原因の一つに回線速度がありますので、事前に測定を行なって十分な回線速度があることを、企業側も求職者側も確認しておくことが望ましいです。企業側は、通信トラブルが発生しにくい会議室などを確保しておくと安心感が増します。

    ③カメラ・マイクテスト

    カメラやマイクが機能しないと、面接を行うことができません。求職者が使用するパソコンにカメラやマイクが内蔵されているか確認を促し、もしない場合は、事前に用意してもらいましょう。企業側も使用するカメラやマイクの機能をチェックしておくことが大切です。

    ④面接官情報

    面接官情報を事前に伝えておくと、求職者側に安心感を与えることができます。WEB面接の場合、対面で行う場合よりも表情や雰囲気などが伝わりづらいので、事前に面接官情報は伝えておくと良いでしょう。

    WEB面接のデメリット

    ①表情が読み解きづらい

    対面の場合、求職者のしぐさや表情の細かな変化などを観察することができます。しかし、WEB面接は限られたディスプレイ画面ごしなので、対面ほど表情を読み解くことが難しいです。コミュニケーションロスを引き起こし、自社に必要な人材かどうか見極めるのが難しいという懸念があります。

    ②求職者にWEB面接のフォローが必要

    求職者のITリテラシーには差があります。平等に選考するためにも、WEB面接システムの事前説明やフォローを入れるなど、これまでにない業務が発生します。企業側の負担を減らしたいなら、ITリテラシーが高くない人も簡単に使えるWEB面接ツールを選ぶなど、工夫が必要です。

    ③コストがかかる

    WEB面接ツールを導入する場合、コストがかかります。ツールのフォローなどの業務が発生する時は、人事担当者の業務量が増え、負担が増してしまう点も配慮が必要です。ただしうまく活用すれば、一般的には対面よりコスト削減に効果的だと考えられています。

    WEB面接で見極めるコツ


    言語的情報に集中する

    WEB面接の場合、対面面接と比べて非言語情報が少ないです。対面の場合、会場に入場してからの求職者のしぐさや雰囲気など、話している事柄以外の要素が結果に影響を及ぼします。対して、WEB面接では、時間になったらディスプレイを通して聞こえる声のトーンや表情など限られた情報の中から求職者を見極めなければなりません。そのため、非言語情報による認知バイアスがかかりにくいというメリットもあります。

    対面面接は認知バイアスの影響を受けやすい環境ですが、WEB面接の場合は認知バイアスの影響が入り込みにくく話している内容により集中しやすくなります。言語的情報から求職者の見極めを行うことが可能です。これまで対面面接しかしてこなかった場合は、やりにくさを感じるかもしれません。それぞれの特性を理解し、認知バイアスが抑制されることをわかった上で、言語的情報から求職者を見極めることがコツです。WEB面接の場合は、内向的な人もしっかりと評価できるという利点も存在します。効果的に活用しましょう。

    面接官がWEB面接トレーニングを行う

    WEB面接と対面面接では勝手が違う部分があります。WEB面接で求職者をしっかり見極めるためにも、面接官がWEB面接のトレーニングを受け、WEB面接ならではの会話のやりにくさの解消に努めることが有効です。WEB面接の研修などを活用すると良いでしょう。

    WEB面接は構造化した方が、精度が高い

    構造化面接法とは、予め質問項目や評価基準を明確化しておき、その手順通りに実施していく手法です。構造化することで、正当性、妥当性を高めることができます。構造化面接に関しては、Googleの「構造化面接を実施する」に詳しく記載されていますので、参考にすると良いでしょう。構造化面接法はWEB面接にも有効です。構造化したほうが、全ての面接官が共通の認識を持てるようになるので、面接の精度が高くなります。構造化面接は、面接官も応募者も満足度が高いという研究結果もあります。検討してみることがオススメです。面接官と求職者のストレスの軽減にも役に立ちます。新型コロナウイルスの影響でWEB面接を始めた企業は、この機会に構造化面接法を導入するチャンスです。

    まとめ

    対面の面接はノンバーバルコミュニケーションの影響を受けやすいですが、WEB面接は言語的情報に集中できます。求職者のプレゼンテーション能力を推し量る上でも有効です。WEB面接にはデメリットがある反面、メリットも大きいですので上手に活用しましょう。

    実施する際は、通信環境に特に気をつけることがポイントです。無料ツールが多くありますが、セキュリティ面などを考慮するなら有料の専用のツールを導入することを検討しましょう。話す時は、画面ではなくカメラを見ることも大切です。そうすることで目線の高さが合い、求職者がより安心して面接を受けることができます。適切に見極めるためにも、事前準備や確認をしっかり行いましょう。

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