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コンプライアンス対応が企業存続における必須課題として浮き彫りになった今、企業内における法務部門の役割は、これまでの契約法務を中心としたものから、企業経営に直結するリスクマネジメントや戦略法務を含んだものへと変化しています。
M&Aを始めとした企業再編、複雑高度化するビジネスモデル、グローバル経済の到来による国際業務の増加、企業財産としての特許知財問題など、各企業の経営戦略に基づいたリーガルミッションが人材ニーズの個別具体化を進めています。
リーマンショック前後の各一年間において法務の新規求人数を比べると、対前年38%減と不景気のあおりを受けた形になりますが、見方を変えてみると50%程度の落ち込みを見せた他の職種に比べれば、依然として底堅いニーズがあったと言えるでしょう。
特に30代までの若手実務経験者をターゲットとする採用では、求人倍率を見ると不景気時でも売り手市場が形成されており、ネームバリューのある大手企業も例外ではなく、採用が長期化する傾向がありました。
そして2009年秋以降からは、法務全体の求人数が顕著に増加傾向に転じています。
一方で、法務の転職希望者数は徐々に落ち着きを見せ始め、しっかりと実務経験を積んでこられた方にとっては良い案件に巡り合える絶好のチャンスとなっています。
しかしながら、各社によって実務の内容にバラつきがある法務部門の採用においては、経験年数よりも経験の中身がより重要視される様になってきていると言えます。
特に顕著に増えているのが、英文契約のドラフティングを始めとした国際法務の経験を重視する求人であり、そのため英語力の有無が転職成否の明暗を分けるようになってきました。また、理系出身の知財経験者や金融機関でのコンプライアンス業務経験者などにも、引き続き高いニーズが存在しています。
一方、外資系企業や日系大手のリーディングカンパニーでは、弁護士資格者に対する採用枠が拡大しており、ワークライフバランスや主体的な業務の実現を求める弁護士の方にとっては、法律事務所から企業内弁護士(インハウスロイヤー)へと転身するチャンスが増えてきています。
その他にも、上場企業において商事法務経験(株主総会、取締役会の召集・運営・議事録作成等)などの経験を有する方へのニーズもありますが、商事法務のみではなく一般法務の経験も有するような幅広い経験者を高く評価する傾向があります。
中堅、ベンチャークラスの企業においては、契約法務、知財・特許、商事法務、場合によっては総務的業務が同じセクションで行われている場合が多く、必ずしも高い専門性・法務スキルだけを要求されるわけではなく、それを補うその他のスキル(マネージメント経験・ヒューマンスキル・年齢等)によっては可能性が充分にあるのもひとつの特徴です。
ここ最近では、各企業が法科大学院修了生、新司法試験合格者(司法修習生)への可能性も探り始めており、若手ポテンシャル層としての採用実績が徐々に増え始めています。
いずれにせよ冒頭で述べたとおり、法務の転職市場は、横断的に通用する法務スキルはもちろんのこと、企業毎に個別具体的なニーズに即したスキルを求められる色合いがより濃くなってきています。
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